第三話 奇跡 再び
ずぞぞぞ
ずぞぞぞぞ
最近海南のところで茶を飲んでいくのが日課となっている。
かと言っても、俺から話しかけるわけでもなく、けっこう静かな時間を過ごしているだけだったりする。
・・・何か話さなければとは思うんだけど。
「そう言えば来週中間だね」
海南が思い出したように話す。
「あ」
忘れてた。
「あ、って?」
「いや、そう言えばそう山本が言ってた気がする」
「・・・学生だったら忘れないと思うんだけど」
「ははは」
そう言いながら思い出した、この間海南にノート借りて挑んだ実力テスト、俺の平均は88点だった。
「しかしこの間は海南のお陰で助かった」
「いえいえ、どういたしまして」
「あと一回いい点取らなきゃ進級できないからな」
「え?」
「あ、いや、中間か期末、平均点80以上取らなきゃダブるのが決定してるらしい」
「それでよく忘れられるねっ!!」
「ははは、それが俺だ」
「・・・・・・それはすごいねってほめた方がいい所なのかな?」
「自由にやってくれ」
「ふふふ」
「さて、帰るわ」
「あ、うん、また明日」
「おう」
がらがらがら
こうやって毎日来るようになってもうぼちぼち一ヶ月になる。
最近は何の抵抗もなく部屋に入れるようになった。
しかしお互い女嫌い、男苦手が治ってる訳でもなく、まだまだぎこちない。
でもまあ嫌々って訳でもない。
このままやっていけそうだ。
まあ、どっちにせよ今年一年は海南に持っていくモン渡せなきゃ落第なんだしな。
なだめてでもすかしてでも持ってこなきゃいけない。
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