「何だってんだ」

校舎の方を見ている俺。

「卒業、おめでとうございます」

・・・



聞きなれた



「大学合格もおめでとう」




声だった


「馬鹿野郎・・・」


後ろを振り向けなかった。


きっと涙が流れてるから。


「星野君のおかげで頑張れたよ、どうしてもお礼が言いたくて」

「身体は・・・良いのかよ」

「うん、ドナーがぎりぎりのところで現れてね、元気になった姿だけ見てもらいたかったんだ」

「そうか・・・」

「でも変だよね、お別れしたのに顔が見たいだなんて、わがままだよね」

「馬鹿野郎、俺は言ったはずだ」

「え?」

「80まででも待っててやるってな」

「星野君・・・」


「俺、泣いてるぞ、きっと顔が見れたもんじゃなくなってる。 それでも後ろを向いて・・・海南の顔を見ていいのか?」

「うん」


振り向く。



制服を着た元気な海南の姿がそこにはあった。


「おかえり、海南・・・じゃなかった」

「え?」






「おかえり、夕菜」

うん!


海南を抱きしめる。

誰が見ててもかまうもんか。

「よかった、よかった」

涙が止まらない。

「星野君、寂しかったよ、寂しかったよう」

「俺だって一緒だ、夕菜が居なくて・・・寂しかった」

「お別れ言った私を許してくれるの?」

「許すも何もない、第一俺は別れたなんて思ってない」

「ありがとう、大好きだよ、星野君!」


「ああ、俺も大好きだ・・・いや」

「?」

「きっと・・・」

もう

好きとかじゃなくて

「海南」

「え?」

「俺な、海南の事をもうすでに・・・」







愛してる