で、他のスピーチも終え、キャンドルサービスに回ってきました。

うちのテーブルは、お約束の「キャンドルの芯、水濡らし」だけであき足らず、
「キャンドルの芯のロウまでも削った上、その芯に葉っぱをデコレーション、挙句の果て、ビール、
日本酒、さらに水に一分間漬け」
を誰かが決行していました。

なんというひどい事をするのかと怒ってやろうとしましたが、
やったのは他ならぬ、キュートでチャーミングな僕でした。
なんと場を盛り上げるのが得意なんだろうと思いました。

これで、世界のエンターテイナーの座は、ウォルト・ディズニーから、僕に譲与される事でしょう。

で、ウチのテーブルに二人が来ました。
火をともします。

当然つきません。
デコレーションの葉っぱが、ちりっと言って燃えただけで、2分立っても燃えません。

俺たちの勝ちです。

カイザーはあきらめて他に行こうとしましたが、ホテルマンが、火力を最大に上げ、
なにやら筒から炎が「しゅごおおおおおお!」と、到底、キャンドルサービスとは思えない、
まるでどこかの町工場のような音を立ててカイザーに渡しました。

二人はそのロウソクに再度火をともしましたが、それでも20秒くらいあぶってからやっとつきました。

圧勝はなににしても気持ちがいいもんです。

で、宴が終わり、新郎新婦とその家族が外に出てから、僕達も出ました。
で、その生真面目集団と挨拶を交わしました。

僕はってっきり、元銀行員のカイザー父から、
「いやー、シンゴ君、すばらしいスピーチだったよ、コレは本当に少ないんだが感謝の気持ちだよ、
いや、気にしないで受け取ってくれ、どーせ誰かの金か国からの金なんだから」
と言って、札束でパンパンに膨らんだ祝儀袋が出るんでないかと期待に胸を膨らませていましたが、
札束どころか感謝の言葉まで出ませんでした。

いつか抹殺してあげようと思いました。