日にちが変わろうかという頃に痛みはピークに達したらしく、ブンベン室に嫁は入っていきました。
僕は立ち会い出産というのに納得行かない方なので個室で待機していました。
聞く話によるとここから初産は二時間くらいかかるそうです。
早くても一時間はかかるらしいです。
女性は大変です。
凄い痛いらしいのにさらにそれが何時間も続くのです。
余りに可哀想です。
珍しく僕が嫁に対して涙でも流してやろうかと思いましたが、皆にメール送るのに必死だったのでやめてあげました。
僕は他人の前では涙を見せない素晴らしい男だなと思いました。
その時、部屋の電話がなりました。
僕は丁度携帯を使っていたので、センサーか何かにかかってバレ他から怒られるのかと思い、受話器を取るのをやめようかと思いましたが、潔く(しぶしぶ)取りました。
「はい」
「おめでとうございます」
何がめでたいんじゃ、今から怒られるのに
「元気な女の子が産まれましたよー」
は?
……
あ
そう言えば僕は出産に立ち会っていたのでした。
気が動転していて真剣に忘れていました。
「え、もう産まれたんですか?」
「はい、元気な女の子ですよ、十分位したら廊下に出てきてください。」
がちゃり
時計を見たら三十分も経っていません。
やっぱり泣いてやらなくてよかったです。
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