最終章   アマは三度燃えている!



ガッセ王国まで戻る。

ニシノミヤ〜アマの間は別に燃えた感じは無い。

デマだったんだろうか?

そんな話をしながらガッセ王城まで来たときに大惨事を目の当たりにした。


「一体どこまで続いてんだよ!」>ケ


「燃やされたと言うか・・・」>に


「城からオオサカ方面が・・・無い」>ホ





城付近は無事なのだが、トヨナカ、オオサカ方面が荒野のように草木一本残っていない。

とりあえずしもる王の元に行く。



「王、ホッホー以下二名ただいま帰還いたしました」


「ホッホー、えらいことやねん、ニシナカジマからアマまで全部燃やされてしもーてん」>しも


「!!」


「さゆりがマジックバリアをこの町一帯にかけてくれたからここから後は燃えてないねんけど・・・」>しも


「さゆりは!?」>こな


「精神力使いすぎていま回復中、大石、いちよん騎士団も出兵中・・・どうしようホッホー」

と王が言うが早いか近衛兵が


「しもる王! オオサカ方面よりワイバーン騎士団が来ます!」姿

ワイバーン・・・前脚が無く、多くは尾の先端に強力な毒針を持つドラゴンに似た生物にゾンビナイトが乗っているようだ。

少なく見積もっても50騎は居る。



「ワイバーン程度・・・俺らドラゴンナイト達に任せろ!俺のドラゴンを中庭に!」

しもる王が珍しくやる気を出す。

俺たちは上からそのしもる王の出撃を見る。



「・・・そー言ったら久々やなー、ドラゴン乗るの、乗れるかなー?」

今頃のんきな事を言っている。


王の竜、フローレンス(竜の名前、♀)が連れて来られる。

颯爽とまたがろうとするが逃げるフローレンス。

どうやらフローレンスは最近しもるが世話をしてないのが気に入らないようだ。

フローレンスに土下座をし、やっとの思いで乗せてもらえたしもる。



「行くぞー!我に続け〜〜!」

その号令を皮切りにガッセ王国の真打ち、しもる率いるドラゴン騎士団20騎が出撃する。

多少出遅れたので城に程近いところでの激戦となっている。



さすがに騎士団は優秀なので完全に押している。

落とされるのはワイバーン騎士団の方ばかりだ。


しかし圧倒的な数の差はいかんともし難く、騎士団をすり抜けたワイバーン騎士団がこの城に4.5騎向かってくる。



「兵は表に出よ! 城を守れ!」>ホ


「ホッホー、どうやら狙いは俺たちのようだぞ」>ケ


「一体何だって言うのよー、ゾンビのどこ狙ったらいいのさー」

にゃーが弓を引き絞って狙いを定めようとする。


「弓矢じゃ無理、火矢に変えて燃やす格好で・・・」


「さゆり、お前は寝てろ!」

俺がそう叫んだ瞬間ワイバーンが火を吐く。


「あぶねえ! さゆり左に逃げろ!」

こなが叫ぶが、完全回復していないさゆりは火の直撃を受ける。


「ケンタ、すぐにさゆりの回復だ!」>ホ


「あ、ああ」

こなソードを床に置き回復魔法をかけるケンタ。

にゃーも火矢を次々に放つ。


ワイバーンの翼を射抜き、燃やし一騎を落とす。

そのどたばたの間にワイバーン騎士団3騎が目の前に立っている。

そのうち2騎は俺たちの前に来たが、後一騎がさゆりの前に立っている。



「ケンタ、さゆり、気付けーーーーー!」

俺の叫びも虚しく、さゆりはまだ魔法の効果が現れず無抵抗の格好となっている。

そこにワイバーンの尾が襲い掛かる。



「やめろーーーーーーーーーーーー!!!」

こなソードが異音を発し青く光りだす。

ワイバーンはさゆりを一睨みし、武装された尾を振り下ろす。


「くそっ、光の矢よ…」

しかし俺の魔法が完成するより早く、俺達の間から一筋の青い光がワイバーンに向かって飛び出した。







ざくしゅう!!



どさり




ギャーーーーーーーーー




苦しんでいるのはさゆりではなくワイバーンだった。


ワイバーンの尾が振り下ろされたその時、こなソードがその尾に向かってひとりでに飛び出して行ったのだった。

ワイバーンの尾は胴から離れ落ちている。



その後俺は、さっき途中だったライトニングの魔法を完成させ横一列になったワイバーンにライトニングの魔法を掛ける。

ワイバーン3匹のどてっ腹に穴が開き、血が噴き出す。


そこにしもる王が戻ってきてフローレンスが鋭い爪で3匹を一瞬のうちに葬り去った。



「さ、さゆり!」

皆がさゆりの方を向いたところに青白く光るしゃがんだ人間が居た。





「あ、あれ?俺?」

その声の主は確かにこなみるだった。



「うおー!俺人間に戻ったーーー!!」

こなの言うとおり剣から人間の戻ったようだ。


しかし戻った様が問題だ。


どうやら死んだ時、服等が丸焼けだったらしく、素っ裸で復活した。



いちもつぷらんぷらん左右に揺れまくっている。


これは夢に出てきそうだ。


「ホッホー見てくれ、俺は人間に戻ったぞー!」

フルチンでこちらにもうダッシュしてくるこなみるく。


逃げようとしたがときすでに遅く、こなの熱い抱擁が襲い掛かる。



俺の股間付近にはぶにょんぶにょんした感覚がくっついたり離れたりしている。


悪夢だ。





悪夢の抱擁も終わり、王もドラゴンから降りてきて(降りるときに落下していたが)王座に戻ってきた。



「なんか若手芸人みたいなんおるなー」


「やっと復活した近衛隊長にあまりにひどいお言葉ですな」


「というより早く服着ろ」

ケンタが冷静につっこむ。

兵士が持ってきた兵士用服に着替えるこなみるく。



「ホッホー、こんなにした相手はわかったか?」


「はっ、あくまで推測の域を出ませんが」

今までの経緯をしもる王に語る。

難しい話は理解していないようだったが犯人がくろねこというのは理解してもらえたようだ。



「で、やっぱりそのくろねこってのは強いんかな?」

しもる王が当たり前のことを尋ねてくる。


「かなりの強さだと思われます。 その気になればこの城にゾンビ兵の軍団が一瞬にして現れることも考えられます」


「ぴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

王が異常な絶叫をする。



「おばけいやーーー、おばけこわいーーーーーーーぃ!!!

王座にうずくまるしもる王。

この王はお化けの類がものすごく嫌いなんだそうだ。



「ホッホー、1000万出す、そいつぶっ殺してきてくれーー!」

しもる王にしては恐ろしく高額な報奨金を提示してきた。

そんなに化け物が怖いんだろうか。

むしろ俺は王のケチさ加減のほうが恐ろしいのだが。



「それでは必要経費すら出ないのですが」

交渉してやった。
まあこの王にそんな交渉もきかないとは思うが。



「わっわわ、わかった5000万円出すから!」

…あっさりきいた。

そんなに化け物が嫌いなのか。


「ではホッホー隊くろねこ征伐に向かいます」





そんなわけで我々はいよいよくろねことの直接対決に向かうことになった。


王城を出る俺たち。

さっきのワイバーンの騎士団を抱えているとなると相手の規模は計り知れないほど大きいのかもしれない。

相手の戦力はいかばかりのものか。

目的が何なのか。

そしてこの世界はどうなってしまうのか。



よく考えてみたら俺たちはとんでもない相手と戦おうとしているのかもしれない。

すこしひるんでしまうな。



「こな兄さん、その服ダサすぎっすよ!」


「ぎゃははは、気にすんな!」


「そういやにゃーさん、さっきこなさんのモロ出しの時落ち着いてましたね」

「ま、あの程度じゃね〜」


「あの程度ゆーな!」



…こいつら見てたら悩んでるのがばかばかしくなってきた。

まあ何とかなるだろう。


「一人1000万づつだぞ、何に使う?」>こ


「マニアっくなモンだろこな兄は」>ケ


「失敬な、それじゃさくら氏じゃないか」>こ


「ホッホーは何に使う?」>に


「あ、俺は研究に…」>ホ


「シケた事言ってんなよ、ピンク行こうぜ」>こ



…こいつら今からやる事分かってるんだろうか。

まあ気負って行っても負けるだけだしな。

どうせ一回死んでるんだ、やるだけやってやる。



城を出た。

空は果てしなく広く、そして青い。

否が応にもやる気は出てくる。



「よし、行くぞ!」

「お〜〜!」


俺たちの知らないところで時代は、そして運命の歯車はすでに大きく動いていた。





あいさけくえすと 3
第四章
夢 一夜    完

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