あいさけくえすと 0
序章
なあ
なんや
そろそろ俺、この世界から足洗おうと思うねん。
奇遇やな、俺もや。
さっきまでの激闘はなんだったのか。
この二人はつい3分ほど前まで確実に殺し合いをしていた。
壮絶なる殺し合いを行っていた。
聞いてええか
おお、なんや?
盗賊と暗殺者。
暗のクラスの大戦争。
その終止符をこの二人が担っていたはずだった。
100年以上にわたるこの街ニシノミヤの両ギルドによる覇権の争い。
最後に残っていた者のギルドが勝者。
そんな理由で確かにさっきまで二人は殺し合いをしていた。
大の字になって寝転がる二人。
「で自分なんでアッサシンになったん?」
「金になるからや」
「なるほどな」
「そういうお前は何でシーフになったんや?」
「金になるからやな」
顔を見合わせ大爆笑する二人。
「自分、俺とパーティ組まんか?」
アッサシンがシーフに語りかける。
「何?冒険者になるんか?」
「おお、ドカンと大きいことがしたい、お前面白そうやしな」
「それもエエかもしれんな」
シーフは少し想像してからそう答えた。
「ギルド長、俺アッサシン辞めるわ」
「ギルド長、俺もシーフ抜けるわ」
本来であれば足抜けが出来ない職業であるが、代理戦争を終結させた功で足抜けを許された二人。
二人は自由を勝ち得た。
「で、パーティ組むのはええんやけどさ」
「おお」
「お前、名前は?」
「通り名はカイザーや、お前は?」
「俺か、シンゴや」
100年以上もの長きに渡るシーフギルドとアッサシンギルドの戦争はここに幕を閉じた。
そして新たな物語はここに幕を開けた。
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