「・・・ん?」ぐ
気絶から回復したぐっちが見た光景は、なんと、しもるが一人でゴブリンの集団を倒している姿だった。
「さてと、最後の一匹もとどめ刺したし、あとはぐっちを起こすだけや・・って起きとったんかい!ぐぐぐっち!い、い、い、いつから起きとったん?」し
「今起きたトコや。っていうかしもるがこれ全部倒したんか?!」ぐ
どうやら、ぐっちはしもるが(動かないゴブリン)にとどめをさしたところしか見ていないようだ。
「ああ当たり前やんか!俺がぐっちを見捨てるわけないやないか。ぐっちが転んで気失っとったから。『こらあかん』と思って俺命捨てる覚悟でゴブリン共の群れに単身突っ込んでんで。まぁ、あれぐらいの雑魚やったら俺一人でも十分やけどな。うははは。」し
「その割には俺なんか知らんけどレベル上がってんねんけど、しもるは?」ぐ
「あ、あ、あんな雑魚ごときでは騎士のレベルは上がらないっすよ。あんな雑魚ぐらいでレベルがあがるぐっちがうらやましいわ〜」し
お前、3も上がったやないか。
「まぁ、そんなんどうでもええわ。次はどの道に入る?」ぐ
「真ん中に入ろうや。さっきみたいに後ろから敵がくるとあかんから、俺、ぐっちの後から行ったるわ。遠慮せず先に行って」し
「また逃げんなよ。」ぐ
ぐっちの内なる声が囁いていた。
一方、カイザーは・・
「これが村長が言っていた問題の湖か・・」カ
カイザーは深い霧のたちこめる大きな湖のほとりにたたずんでいた。
「この辺りか?よし、ここにするか。」カ
カイザーは一番霧が深そうなところで、ゆっくりと腰を落とした。
「さて、ここなら邪魔も入らへんやろ。始めるか・・」カ
またまた、ぐっち・しもる組
「・・・また別れ道や」ぐ
「今度は、ひー、ふー、みー・・数えきれんほどあるやんか〜。カイザー嘘つきや!。行くとこ行くとこ敵はいるし、まぁ、雑魚ばっかやから楽勝やけど。」し
「なにが楽勝や!しもるが怪我ばっかりするからもう回復薬ないねんで。ホンマにあのゴブリンの団体を一人で倒したんか?」ぐ
「そりゃ、ぐっちの盾になってばっかりやから怪我するわ。弱者を守るのは騎士の勤やっちゅーねん。」し
「別に守ってくれんでも、しもるが敵を倒してくれたらそれで終わるねんけど。それに、守る言うたって、俺から離れたところで、転んで丸まってボコられてるだけやん。自分を守ってるだけやろ?どうみても。」ぐ
「あ、あ、あ、あれは敵を騙す演技やって。ぐっちから離れたところでボコられ、いや戦闘することでこっちに敵をひきつけてる訳っすよ。まぁ、お子ちゃまのぐっちには崇高な騎士道精神はわからへんやろな〜まぁ、二人ともレベルが上がってるから細かいことは無し!さて、どの道いくっすかね〜。」し
しもるは、やや分が悪そうになってきたので話題を変えた。
「そうだ!このマジックアイテムでカイザーに聞ようや。」し
「お、たまにはええこと言うなぁ。早速聞いてみて。」ぐ
ぐっちもグズグズしてるとまた後ろから敵がきそうなのでしもるに同調した。
「・・・あ、カイザー?レベル上がりまくりのしもるちゃんっす〜。」し
「おう、調子はどないや?レベルなんぼ上がった?」カ
「私ことしもるは3、ぐっちは何もやってへんのに1上がってるっすよ〜。」し
「ん?ホンマに上がってるやんか。そんなにモンスターおったかいな?」カ
「も〜、いまくりっすよ。まぁ、全部俺のおかげでなんとかなってるっすけど。ところでカイザー、この洞窟簡単って言ってたのにメチャクチャ複雑なんやけど・・。」し
「なんでやねん?こんな初心者専用の洞窟今まで聞いたことあらへんがな。ちなみに今どのへんやねん?」カ
「何回曲がったかわからへんねん」し
「わからへんやと!寝とんのかい!」カ
「だってだって、別れ道ありすぎっすよ〜」し
「ドあほゥ!俺は曲がったことが大嫌いなんじゃ!男は黙って真ん中をまっすぐに突き進まんかい!なんでそんな簡単なことわからへんねん?さっさと行って来い!まだ先に20個ぐらい別れ道あんねんぞ!日が暮れてまうわ!」カ
ブツッ!ツー、ツー、ツー
「切られた。でも全部真ん中らしいわ」し
「よし、そうとわかればどんどん行くぞ〜、もう回復アイテムないし・・」ぐ
「道が判れば怖いもん無しや〜〜」し
「考えもなしに勝手に行くな〜!まだ敵とか罠とかあるかもしれへんねんぞ!って聞いてへんな〜」ぐ
しもるは、はるか先を疾走していった。
一方、カイザーは
「駄目だ、このポイントではないらしい、移動するか・・」カ
更に湖の奥、霧が湧き出ているところに向かって行った。
「どうやらここが本命のポイントらしいな・・」カ
湖の最奥、身を突き刺されるような気配・・。水はこの世のものとは思われないほどの透明度がある。しかし、何かにさえぎられるように先は見えない。
「・・間違いない、ここだ。」カ
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