「・・はれ?どないなってんの?」ぐ

しばらくしてぐっちは我に返った。

辺りは熱気で暑苦しく目の前に焼け焦げたキマイラが横たわっていた。

そのはるか先に、炎の剣を握り締めたまま魂の抜け殻になっているしもるがいた。

「おい!しもる大丈夫か?何があったんや?もしかしてあのキマイラを一人で倒したんか?なんて無茶なことを・・。なんで俺を起こしてくれなかったんや〜〜!こんなにボロボロになるまで・・。俺は一生、お前のことは忘れへんで。よし、ゴールは間近や。行くぞ。」ぐ

ぐっちは一人で感動に浸っていた。

「ブハッ!はー、はー、なんや知らんけど、全身痛いわ〜〜。なんて言ってられへん。なんとかあのキマイラから俺だけでも逃げる方法を考えんと」し

「おお、しもる生きとったんか?一人でよくキマイラ倒したな。何で俺を起こしてくれなかったんや?水臭いぞ!俺が不甲斐なく気絶していたばっかりに、お前に迷惑ばかりかけて・・」ぐ

「おおおおお・・。ぐっちおったんか?ようやく気がついたか。ん?あ〜、このキマイラね。まぁ、俺にかかれば、ちょいとこんなもんよ。ケルベロスよりかはほんのちょっと強かったけどな。余裕余裕。ハッハッハッ。さ、キマちゃんはなんかもってへんかな〜」し

しもるはキマイラに近づいて行った。

その時、キマイラはのそのそと起き上がって、近づいてきたしもるを睨み付けた(ようにしもるには見えた)。

「ひ〜〜、ご勘弁くださ〜い。あなた様をこんな惨めなお姿にしたのは、ここに控えておりますこのぐっちと申すものでございます〜」し

「はぁ?お前、さっき自分が一人で倒したって言ってたやんか。しかも倒しきれてへんし、こんなにピンピンしとるやんか!」ぐ

「お、お、お、お、おい、ぐっち君。僕たちは仲間、いやパーティーやんな?だったら目の前の敵は一緒に倒さないとアカンよな?さぁ、いざ行かん(逝かん)ぐっちミサイル、発射!・・ほら、早く。さっきみたいにぴゃ〜〜っと飛んでって頭突きでも食らわしたってや!」し

「あほか!お前騎士やろ?騎士は自分を盾として他を守るモンやないか!か弱い僕ちゃんを守って討ち死にしてこい!」ぐ

「ひ〜〜、そんな無理〜。だって怪我人やもん。それよりなんか適当にやっつける魔法ないの?そうや、ジンかイフリート呼び出してや」し

「何が怪我人や、それに俺、何でか知らんけど魔力スッカラカンやねん。」ぐ

「なんやそれ〜。ぐっちってホンマに気絶するだけの役立たずやわ〜。精霊も呼び出されへんシャーマンなんかただの足手まといやん」 し

「お前が足手まといっていうな!しもるかっていつも一人で逃げてるだけやないか!」ぐ

二人はキマイラの前で痴話喧嘩を始めた。その時、

「お〜、あっついな〜。なんや、たてがみが焦げてもうたわ〜。」キマイラのライオンの顔

「あ、ホンマや。だっせ〜の」ヤギの顔

「おいおい、お前なんもしてへんやん」 ヘビの顔

「え〜?でも最初お前ら寝ぼけてたやん。最初から起きてたん俺だけやで〜」ヤギ

「俺はちゃ〜んと吼えました〜〜」 ライオン

「俺は頑張って火ぃ吹きました〜〜」ヘビ

「俺はぼーっと見てました〜〜」ヤギ

「お前が悪いんやんけ!」 ライオン

「さ〜てと、何してもらお〜かな?」ヘビ

「じゃあ、お前らを回復させたるわ。それでチャラな」ヤギ

「え〜それだけ?こんなんツバつけてたら治るってカイザーさんいつも言うてるで」ヘビ

「いや〜、それだけでは燃えたたてがみは治らんやろ・・」ヤギ

「まぁええか、それで手を打つか」 ライ

「しゃ〜ない、俺も体痛いし」ヘビ

「よっしゃ、決まりや。後から文句いわせんで〜。はいな!」ヤギ

キマイラは一瞬のうちに傷が完治した。

「・・・無理や。こんなバケモノ俺たちだけでは、到底無理や」 ぐ

「こんなんあり〜?回復してもーたやん。これはもう土下座以外に手は無いで。おい、ぐっち、一発決めたろーぜ」し

「は、はー、キマイラ様〜」し、ぐ

二人は恥ずかしげもなく頭を地面にこすりつけている。




両名共に実に見事な土下座である。