「やっぱりやな」 シ
「ああ、あのダサい服装、あのダミ声の笑い声はぐっちしかおらん」 カ
「こら!ぐっち!なにやっとんじゃ!!」 シ
詠唱者はその声に気付いたらしく、こちらへ向かってきた。
「久しぶりやな」
「久しぶりもクソもないわい!今まで何処いっとったんじゃ!この状況はどーゆー事じゃ!」 カ
「ま、新しい力を得るために修行みたいなもんかな、若干以上の力を得たわ、見とけよ」
そう言うとぐっちを捕らえようとして駆け寄って来た100人ほどの兵団に向かって立った。
「我が僕イフリート、ベヒモス、我に従え、我が血の契約の前にひれ伏せ!大地を揺るがし、その血潮を吹き上げよ!」
ごごごごごご
「何じゃ!この揺れは!」
地震が発生し、地割れが起き、そこからマグマが吹き上げた。
一瞬にして兵団は蒸発した。
「何じゃあ!」
「俺のオリジナルの魔法、ボルケーノや」
ぐっちが嬉しそうに言う。
「恐ろしい破壊力やな」シ
「これで世界取れるぞ、俺らの天下や、一緒に世界を治めようぜ」
「・・・」
「まだまだ俺の支配してない精霊王もいるからな、まだ俺は強くなるぞ、世界は1ヶ月で俺らのモンや!」
「・・・」
「まずは手始めにこのしょっぱいアマからイワすぞ、俺ら4人が等分に世界割ろうぜ!俺の力やゆーてもお前らの力もあったし、それも認めてるしな!」
「・・・」
シンゴとカイザーは見つめあった。
「なぁぐっち」
シンゴは切り出した。
「どうした?」
「俺ら、世界の王になるとか興味無いねん」
「何で?金持ちになりたいンと違うんか!究極の金持ちやぞ!」
「俺ら、今まで悪い事してきたけどな、これからはそう言うこと辞めて、平和にやって行きたいだけなんだわ、まっとうに仕事して、金一杯稼いで、いつかは結婚して家族を持って、皆仲間でずーっと楽しくやって、笑って死にたいだけ、これが俺の希望なんだわ」
「そうやでぐっち、世界の王とか飽きたって辞められへん、俺らはまっとうな仕事をして生きて行こうってシンゴと誓ってん、ぐっちもしもるもドン臭いけど俺らの最良の仲間やないか、いずれは俺らもパーティーは解散するやろう、でも仲間としてはずーっと残ってるやないか、笑って助け合って生きていったほうが面白いで」
カイザーが続く。
「いまぐっちのやってることは俺らが撃退したイタミのカルト教団と一緒や無いか、あれはあれで楽しかったやんけ、お前の小汚い作戦でばったばった人倒れて、おまけにしもるも死に掛けて、そんなんでええやないか、いつもの俺らに戻ろうや」
シンゴが真剣に話を続ける。
「そんなことあるか!目を覚ませ!お前等と世界取って・・・」
ぐっちがタカオに気付いたらしい。
「誰やそれ」
「タカオって言うぐっちの代わりに入ってもらったメンバーだ」
シンゴが説明する。
「誰じゃーーーーーー!」
ぐっちが怒り狂う。
「だから代わりに入ってもらってるタカオやってゆーとるやないか!」
カイザーがあの圧倒的な力を見ても恐れるどころかいつも以上にキレている。
「俺の場所や、その場所は俺の場所やーーーー!」
何を言ってもぐっちには聞こえていないようだ。
「俺の、俺の仲間を奪うなーーーーーー!」
「違う!ぐっちのいない間だけ・・・」 シ
「俺の居場所を横取りするなー!イフリート、ジンそのクソ忌々しいデクを魂ごと焼き尽くせ!灰すら吹き飛ばせ!」
ぐっちの魔法の標的はタカオに向いた。
「タカオ!レジス」
シンゴがすべての言葉を発する前に、シンゴとカイザーの横を炎と熱風が通り過ぎ、タカオは一瞬にしてその存在を消した。
「タカオーーーーー!!!」
「こらぐっち!お前何さらすんじゃ!!」 カ
「はぁはぁはぁ、なぁ、そんなしょーもない事言わんと俺と世界取ろうぜ」
「やかましいわーーー!」
その声を発したのはしもるだった。
「何が世界取るじゃ!何が世界の王じゃ!笑わせんな!!」
「しもる、お前」
ぐっちが驚く。
「人には人のルールがあるんじゃ!やってエエ事と悪い事があるんじゃ!子供でもないくせに何眠たいことゆーてるんじゃー!」
「しもるに言われるとは思わんかったな、ラッキーとか言ってくれると思ってたのに、まあええわ、明日の夕方、俺はまたココに来る、それまでに答えを考えててくれ、NOなら俺も悲しいけどお前等殺さなあかんようになる、エエ返事を期待してるで」
「待て!ぐっち!!」
「シンゴ、お前がこのパーティーのリーダーやと思ってる、仲間の意思、まとめててくれよ、 ジンよ我を飛ばせ」
その呪文を残し、ぐっちが宙を舞い、遥か彼方へと消えていった。
次の章へ
目次へ戻る