最終章

失うもの、護るもの



「貴公たちが狙われるというのにか!保護はいらんと言うのか!」


「ああ、俺達は俺達で勝手に動く、好きにさせてもらう」





かつーんかつーん


暗い廊下に二つの足音が響き渡る。



「畜生、しもるの野郎、逃げやがって」

カイザーがぶつぶつ言っている。


「まぁあいつ居たら変な事喋ってややこしくなったかもしれんしな」

シンゴがなだめる。


二人はぐっちが消えた後、兵に取り囲まれて城で取り調べられていた。

タカオが殺されたところをみていた兵の証言もあり、俺らがその手先なり共同実行者とは疑われなかったらしいが、いかんせん仲間であったことは事実で、根掘り葉掘り聞かれた。


「しかしあの騒動で武器なくなってもーたで、一番最初に買った思い出の武器やのに」 カ


「お前はまだえーわ、俺みっちゃん落としてしまったからな、今から探しにいかなあかんわ」 シ


「みっちゃんなら呼んだら帰ってくるんと違うか?魔法とかで。 でも案外知らんもんやな、お互いの事って」 シ


ぐっちの事を聞かれたものの、生まれがヤマグチという事や、住んでいた家しか知らなかった。


「確かにな、結構聞きにくいところもあるからな、いくら仲間とはいえ」 カ



城門を出る


「おかえり〜」


「何がお帰りじゃクソボンクラ!!」

カイザーが声の主に激ギレする。


「どこ行っててん、まぁお前おらんほうが助かったけどな」


「捕まりたくなかったから逃げてた、まぁ迎えにきたんやから許せや」

しもるが笑いながら言う。


「あとこれ、落としモンやで」


しもるはみっちゃんとカイザーのグレートアックス+2を差し出した。


「おお、みっちゃん!」 シ


「たまには役に立つやんけ!」 カ


「まあな、で、どうなった?」


「国のほうは明日のぐっちの来襲に備えて兵を集めたり、残ってるギルドとかに声掛けて戦士やら魔法使い雇うってさ」 シ


「で、俺らは?」 し


「俺らが城に行ったらそこ攻められて全滅の危機やろ?せめて時間稼ぐのに別の所におらんとな」 カ


「と言うことはぐっちを敵とみなす訳やな」 し


「しゃーないやろーな」 カ


「まぁ俺らにも責任なくはないからな、あれ集める手助けしてしまったし」 シ


城から1キロほど離れ、まだ焼け焦げた匂いの残る元アマの街にテントを張る。


生き残っている人たちもわらわらと集まってきて小さな集落のようになった。


「とりあえず寝ようぜ、何が攻めてくるわけでもないやろ」


三人は見張りを立てずに眠った。