むくり



シンゴは一人起き、テントを出た。


「どうした、友よ」


そう声が聞こえてくる。


「何?寝てなかったんか?みっちゃん」


「我は睡眠などとらぬ、我は・・・」


「あー、もういい、ややこしい話やろ?」

シンゴは笑いながらみっちゃんを静止した。


「もっと気楽に生きなあかんで、みっちゃん」


「友よ、我は生きていない」


「いや、生命活動とかじゃなくてさ、実際こうやって話してる訳やしさ、もっと楽しく話とかしよーぜ」


「努力はしてみる」


「まぁボチボチな、さやから抜くで」


「了解」

みっちゃんを鞘から抜く。



魔法の光とミスリル銀の輝きが辺りを薄暗く照らす。


「最後になるかもしれんからな、みっちゃんを研いでおこうと思ってな」


「友・・・」


「たぶん自分で形整えられるから研ぐ必要ないのかも知れんけどな、やっぱり今まで世話になってるしさ、でも研いだら痛いんかな?」


「痛くは無い」


「そうか」


砥石を取り出し、みっちゃんを研ぐシンゴ。


「なぁみっちゃん」


「何だ、友よ」


「楽しいか?今」


「何が楽しいと言う事かがわからんが、友となって以来、嫌な事は一切無い」


「それが楽しいって言うんだよ、それなら良かったよ」


しゃーしゃーしゃー


「なぁみっちゃん」


「何だ、友よ」


「もし俺が死んだらさ、カイザーかしもると一緒に居てやってくれな、でもカイザーもしもるも死んだらさ、俺らのことはすっぱり忘れて誰かに引き取られてくれよ、みっちゃんたいな良いヤツが前みたいに.盟約〜とか言って洞窟とかでずーっと引きこもるとか無しやで」


「我は友と共に歩むと決めたのだ、友が死ぬなら我も」


「アカンって、みっちゃんたいな名刀が消えたらこの世の損失だからな、俺らの代わりは一杯いるけどみっちゃんの代わりはないぞ」


「そんなことは無い」


「みっちゃんみたいな名刀を持てただけでも俺は幸せモンや、あの世に待たせてるヤツも居るしな、ただ気懸かりなのはみっちゃんの事だけ」


「それより友よ、仲間を・・・本当に斬れるのか?」


「さあなぁ」


「それでは死にに行くようなものだ、戦いはやめたほうが良い」


「でもなぁ、やっぱり仲間である俺らがぐっち止めたらなアカンしなぁ」


「・・・」


「やっぱ斬る事になるんかなぁ」


「・・・」


「斬りたくはないよなぁ」


「・・・」