シンゴは城近くにいたエルフの女宮廷魔術師をつかまえた。


「俺をあいつのとこまで飛ばせるか?」

宙にいるぐっちを指差した。


「普通なら行けますがジンの影響で失速するかもしれません」


「まぁいいか、じゃあ飛ばしてくれないか」

みっちゃん抜き、そう頼む。


「わかりました、友なるシルフよ、彼の者の下へと」

呪文が完成し、ぐっちの所に飛んでゆく。


「みっちゃん」


「どうした、友よ」


「願いは等価交換だよな」


「その通りだ、友よ」


「じゃあぐっちの魂、俺にくれ」


「今しがた等価交換だと言ったばかりではないか、魂欲すれば別の魂が・・・」


「そう言う事」


「それは駄目だ、友よ」


「カイザーは店をやると言う夢を、しもるは何かしらんけどナイトみたいで国を守るのが仕事やろ、あいつらはまだ命が必要とされとる、でも俺はこの世に未練もないし、あの世に待たせてるやつもいる、魂差し出すなら俺が適役だしな」


「我に友を殺めろと言うのか!」


「みっちゃん、だんだん感情が出てきたなぁ、それが感情や」


「我には出来ぬ!ぐっちならまだしも・・・友の命を奪うなど、我には出来ぬ!!」


「ありがとうな、みっちゃん・・・・・・じゃあ命令や、我にぐっちの魂をよこせ!等価は俺の魂で!いくぞ!」


「友!」

ぐっちとの距離は近づく。


しかしあと少しで失速。


クラーケンと戦っていたしもるの竜を踏み台にしてぐっちの前に出た。




「あの世まで一緒に行くか、ぐっち」

少しだけ微笑んで胴に構えていた剣を一閃



ぐっちからほとばしる鮮血


同時に発動される魔法


ぐっちの体が魔法に包まれ、魂が奪われる。


「汝の願い聞き入れた、では対価を」

みっちゃんのではない低い声が響く。


みっちゃんから無数の黒い手がシンゴを襲う。



体に激痛が走る


これがあの世に引きずり込む暗黒の手なんだろうなぁ


シンゴは激痛と引力の法則に身を任せる


薄れゆく意識


遠くから聞こえる仲間の声


もうじき地面に叩きつけられるだろう。




あ〜あ、ぐしゃって潰れて死ぬんか〜


嫌な死に方やな〜



一番嫌な死に方やで



まぁ空飛んだ時に気付くべきやったな



ま、出来れば楽に死にたいな〜



すでに痛みは感じない




終わりなんだろうな



せめて最後までは自分の所有している名刀を握りしめておこう。


最後に嫌な命令して悪かったなぁ


詫びの気持ちを込め、強く握りしめる




「すまんな、あいぼう」



そう呟き、大事な相棒を握りしめたことを確認した後、シンゴは意識を失った