最終章  それでも僕は・・・


暑い夏が過ぎようとしている。
部屋にはエアコンが無い。
まあ、いつも夕方から会うからさほど気にはならないが、
それでも暑い。
春生まれの僕には、暑さが耐えられないのだ。
「美久〜暑いよう〜〜」
「そんなこと言ったってどうにも出来ないよう。」
「溶けるよ〜〜」
「溶けないよ!」
「じゃあ冷蔵庫に入っていい?」
「入れないよ、野菜いっぱい入れたもん」
美久も暑さでずれている。

やがて暑い夏も過ぎていく。

すごしやすい秋。
「秋になったら栗拾いに行こうね」
美久が言う。
「そうだね」
「いも堀りも行きたいよ」
美久が珍しく行きたいところを言う。
「いいな、いも堀り」
「秋は食材がいっぱいあって楽しいよ」
確かに楽しそうだ。
「よし、行くか!」
「うん!」
うれしそうだ。

「あ、明日マドレーヌ焼いておくよ」
「やりい!」
マドレーヌ、大好きなのだ。
久々だなあ、美久のマドレーヌ。
明日が楽しみだ。

次の日
仕事が手につかない。
なんせマドレーヌが食べられるからだ。
嬉しい嬉しい。
しかし、残業になってしまう。
うーー、はやくマドレーヌが食べたいのに〜〜。

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