12月24日
クリスマス・イブってやつだ。
本来僕はクリスマスを祝わない。
宗教的に少しずれているから。
でも、今年だけは。
「買ってきたぞーー」
美久の部屋に入る。
「わーい」
「めちゃめちゃ並んだぞ!何やあのにわかクリスチャンどもは」
「そんなもんだよ」
笑う美久。
ケンタッキーで買ったチキンにショートケーキ。
ワイングラスにグレープジュース。
病室でクリスマス。
多少怪しい。
でも楽しい。
見晴らしもいい病室だし。
鳥肉も洋菓子も食い終わり、窓の外の眺めを並んでみていた時、
「ねえ」
と、美久がきり出してきた。
「なに」
「後悔 してない?」
「何を?」
「消えていく病人を彼女にして」
「・・・」
「色気の無いクリスマスしかできない女を彼女にして」
「・・・」
「体で愛し合う事の出来ない女を彼女にして、後悔 してない?」
「確かに色気の無いクリスマスだ」
美久の顔を見ずに、今度は僕が語り始める。
「やりたい盛りにできやしないし」
「・・・」
「デートも決まったところにしか行けやしない」
「・・・」
美久ががっくりしている。
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