悩みつづける。
おばあちゃんが聞く。
「彼女にプレゼントかな?」
「はい」
「どういうの?」
「結婚指輪って言うか、婚約指輪って言うか…。」
「なるほど〜、フィアンセね」
「はい、でも状況が特殊なんで。」
「よかったらきかせてくれるかな」
説明する。
美久がもうすぐ居なくなる事も、これから新婚生活もどきを始める事も。

いい人もいるもんだ。
話を聞いてくれるだけでもありがたいのに、涙まで流していただいた。
いいおばあちゃんのようだ。
何でも値下げしてくれるらしい。

早速探す
お、これいいな、イルカの形したリング。
目のところにちょこんとダイヤが入ってる。
値段は…。
やっぱり安くない。
でも一万円で良いそうだ。
おばあさん、ありがとう。

後は、明日、美久を連れてこの家に来るだけだ。
全ての段取りがそろった。

今日はここで寝よう。
明日からのもう一人との生活を想像して、今夜は僕とこの部屋で美久の夢でも見ようか。

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