「彼女なんていないよ、ボク」
「ボク、が良いよね。」
え?
「じゃあ、電話しても、いいかな、あたし」 美久さんが言う。
「あたしが良いよね。」
言い返してやった。
案の定ぽかぽか叩かれる。
同じ事言い返しただけなのに。
「ボクが聞かなきゃいけないことでしたね・・・。」
赤い顔した僕が言う。
「うん!」
子供みたいな顔した美久さんが本当に嬉しそうな顔でうなずく。
秋風が涼やかに吹く秋の夜。
涼やかな風は吹いていても、ボクはなんだか暖かだった。
美久さん か。
惹かれている。
僕は美久さんに惹かれているんだ。
でも
ボクはきっと嫌われる。
皆に避けられたあの力
あの力が本当に憎いよう。
秋風と共に流れればいいのに。
美久さんを見送りながらそう思った、秋の夜長でした。