小高い丘に登った。
美久さんはかなりゆっくり歩くから、時間がかかったけど・・・。
「きれいだねえ」
美久さんがつぶやく。
「うん」
「で、何の話?」
言いにくいよ・・・。
でも
言わなきゃならないんだ。
「黙ってた事があるんだ」
「うん」
「実は、ボク、変な力を持ってるんだ。」
「どんな?」
いつもと変わらない美久さん。
「人に見えない物が見えるんだ、霊みたいな・・・。」
「あと、人の心も読めちゃうんだ・・・何でか分かんないけど」
・・・沈黙
「読もうと考えてるわけじゃない!見たいとも思わないんだけど」
「うん」
「心の中に入ってくるんだ・・・」
「うん」
「皆、嫌がるんだ、でも黙ってまで、騙してまで付き合いたいとは思えない!」
「うん」
「だから、美久さんも、いや・・・だったら今の・・・うちに・・・」
涙で言葉にならない。
初めてだった。
この事を相手に伝える時に涙を流したのは・・・。
もう、美久さんの顔は見れない。
心も見えない・・・美久さんの心はなぜだか読めないんだ・・・。
初めてだった、これからのストーリーの分からないシナリオは。
コンナニ コワイモノ・・・ ナンダ・・・。
初めて味わう対人の恐怖
他の人と同じじゃないと信じたい。
でも、この力は・・・
あまりにも大きすぎるから・・・。
心の中では美久さんを信じているボクが居る。
でも、やっぱり無理だよ。