ドアを開ける。
何のことか分からない美久さん。
二人で座るのがせいいっぱいのソファー。
美久さんが疲れたら眠れるように買った布団。
フライパンとかなべ。(もらい物)
ポットにそろいのマグカップ。
「どうしたのここ?」
わかんなくて当然だ。
「新居」
「?」
「阪井 慎吾と阪井 美久の新居」
「!」
「一緒に住むことも、戸籍変えることも出来ないけど、二人だけが一緒にいる空間なら作れたんだ」
美久さんを見る。
顔が真っ赤だ。
・・・どうやら阪井美久でストップしてるらしい。
「ここなら家も近いだろ、仕事終わったら電話するからここにくればいい。」
「うん」
「そしたら、あなたおかえり〜が出来るだろ。」
「うん」
「家賃も払うんだ、安いけど俺の給料も安いから辛いぞ、やりくり」
「うん」
「一緒にテレビ見るんだ、同じソファーで」
「うん」
「夜になったらえっち・・・てのだけは無理だけどな」
これはドクターストップ。
「うん」
美久さん、もうすでに号泣モード突入。
「渡したいものがあるんだ」
「なに?」
「目 つぶって」
「うん」
「言っとくけど、何があっても動くなよ」
「や〜だ〜、こわいよ〜」
指輪をはめる。
気づいたらしい。
「これ・・・」
「結婚指輪(仮)だ。」
「(仮)なの。」
「良くなったら本当の結婚指輪だ、俺も自分のをそれまで買わない。」
「うん」
「だからあきらめずに、絶対に良くなるよう努力するんだ」
「うん・・・うん・・・するう、するよおう・・・。」
涙で見えないらしい・・・。全く困った奴だ。
やっぱり
「中学生」
「??」
聞こえなかったらしい、助かった。