電話の向こうで風の音がする。
「どうしたの、風の音聞こえるけど」
外から電話かな??
「あ、ごめんなさい、扇風機…。」
「扇風機?この暑いのに??」
「あの、クーラー もったいないなーって…。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
まいった。
この子、ええ子や。
気に入ったよ、まじで。

この日初めて本心で言った言葉。
「何で彼氏おるねん、自分〜〜」
だった。
居なかったら全力で落とすのに。

ここでの彼女の返事は笑いだけだった
………
はずだったんだけどねえ。
そう思ったんだけどねえ…。

「あたしもそうおもいます〜〜〜」
おい!!待て待て待て待て!!

しかしほんとうにかわいそうだよ。

次の日も電話。
そんな気は無かったんだ…。
無かったんだけど…。
気持ちを知っちゃったら、だめだよ。
言っちゃうよう。

「琴乃は知らない」
「でも、圭衣子はおれの事好きなの?」
「きらいなら、圭衣子の事は言いません」

じゃあ
「圭衣子として付き合っていただけますか」
浮気とか、二股とか、不倫が大嫌いな俺が、
圭衣子を愛するために聞ける精一杯の質問。
どんなに責められても、どんなになじられても。
俺はこの子を守ってやりたい。
せめて精神的なものだけでも…。
守ってあげたいんだ。
「はい」

オッケーだった。

でも、かなりややこしい関係だな。
まあいいや、圭衣子と琴乃は一人の中に二人居るんだ

でも、どっちかに決めなきゃいけないんだ。
辛いよ きっとね。