時はちょっと戻って11月。
1ヶ月前に入院したばあちゃんを見舞う。
「どないや?ばーちゃん」
「よーわからんわー」
この時点で俺はばあちゃんがガンだと知っている。
「まあ、医者も治療したら行けるってゆーてるし、頑張りや」
「んー」
…俺は今までにばあちゃん孝行をしていない。
そーやな、たまにはしとくか。
「でな、ばあちゃん、親には黙ってて欲しいねんけどな」
「なんや??」
「俺、結婚すると思うねん」
「ほんまか?」
「うん」
「いくつの子や?」
「18」
「また若いなー」
「で、親には黙っててな」
「わかった、ばーちゃん絶対ゆわへんからな(言わない)」

俺は絶対おかんにぽろっと言うと思った。
しかしおかんからその話はいっこうに出ない。
おかしい。

2週間後
電話が鳴る。
「もしもし?」
「あ、しんごちゃんか?」
「あー、ばーちゃん」
「おかーちゃんおるか??」
「いや、おらへんねんけど」
「じゃーええわ、ほんでな」
「なに?」
「ばーちゃん、まだゆーてへんからな」
ほー
こりゃびっくり。
「…今度、けーこ連れて行くわ」
「楽しみにしとくわ」
…連れていかにゃならんか、けーこを。

何日か後にけーこを連れて見舞いに行く。
ばーちゃんは嬉しそうだった。
そう言えばばーちゃんに彼女を見せた事無かったなあ。
ちょっとはばーちゃん孝行出来たかな?
なんせ俺、かなりのばーちゃん不幸モノだからなー。