翌日12/21早朝
ばーちゃんはこの世から消えていった。
俺はその前にけーこを呼んでいた。
最後に見せたかった。
ばーちゃんにも、けーこにも。
駅でけーこを待った。
待ち合わせに不備があった。
駅の勘違い。
結果、ばーちゃんの死に目に会えなかった。
…………
けーこは自分が遅れなかったらと自分を責める。
それは違う。
俺も悪い。
それに…
きっとばーちゃんは俺たち孫に最後の姿を見られたくなかったんだろう。
きっとそうだ。
いつも気丈だったばーちゃん。
子供の頃は大体2週間に一度はバスに乗ってばーちゃんに会いに行ってた。
同じ市内に住んでいたから。
俺は電車とか高速道路に乗って帰省した事がない。
子供の頃は皆がうらやましかった。
でも…
よく考えたら俺は幸せだったんだな。
近くに普通にばーちゃんがいて、
小学校の頃は弟と一緒によく会いに行ったなあ。
バスに乗って行って、
停留所に着いたらばーちゃんがもう待っててくれて、
俺たちがバスから手を振って、
一緒に歩きながら坂を下って、
わがまま言って、
甘えて。

…ごめんな、ばーちゃん。
俺、何も出来なかったなあ。

なあ、美久
ばーちゃんをよろしく頼むぜ。
寝言で歌うたったり、同じ事繰り返して言ったりするけど…。
きっと楽しいぞ。