葬式は12/24
2人にとって初めてのクリスマスだったけど…
潰れちまった。
お通夜、葬式と連続で手伝いにきてくれたけーこ。
多少かわいそうだったな。
しかし、俺は助かった。
なんせ、永遠の詩を書いた年にこれだ。
俺は人の死の悲しさを思い出してしまっていた。
封印していたココロの扉を開けてしまっていた。
再びあふれる悲しみ。
一人では…きっと耐え切れなかっただろう。
俺はけーこの前で泣いた。
俺には今、受け止めてくれる人がいる。
ばーちゃんが教えてくれた。
そんな気がした。
「慎吾ちゃん、けーこちゃん大事にせなアカンねんで!」
そんな声が、どこかからともなく聞こえた気がした。


葬式も終わって12/30
仕事中のことだった。
おかんから電話。
「ピッチが死んだよ」
ピッチまでもがこの世から消えて行ってしまった。
ピッチ、ごくろうさん。
長生きも疲れたろ。
ゆっくり休めや。
ピッチの体を見る。
自分で引きちぎった指以外、どこもボロボロになっていない。
年をとったら普通は鼻とかごつごつになったりするようだ。
しかしそんなこともないまま。
美しい毛並みを残したまま。
まるで俺達が若かったあの頃と同じままに。
この世を去っていった。

ピッチよう、美久の事は何度も話したよな。
美久と一緒に遊んでな。
ばーちゃんも一緒だ。
俺も寂しいけど…
弟も寂しいけど…
我慢するからな。

皆、今しばしのお別れだ。
またいつか会う事もあるだろ…。
その時は、笑顔で会おうぜ。
じゃーな。
ばいばい、ばーちゃん、ばいばい、ピッチ。

そしてそんな哀しみの中、隣にいてくれたのは、やはりけーこだった。

ありがとうな、けーこ。


第六章  完

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