最終章  この道を一緒に


さよならの多かった冬。
そして21世紀になった冬。
新世紀になったからって、別に俺が変わるわけじゃない。

実はもう一つさよならがあった。
俺が勤めていたシンアイをさよならする事になった。
けーこと一緒になるというのに、契約社員とかそんなんじゃいけないと思った。

じゃあ、何故今まで俺は社員にならなかったのか。
実は一回だけ就職した事がある。
そこではまあまあいい給料を貰っていた。
でも課長との仲が最悪になった。

俺は紹介で就職したからケンカする事は出来なかった。
自分で身を引いた。
皆にはこういっている。
まあ、大半の理由はそれだが、本当はもうひとつある。
長く仕事が続かなかった理由。

それは俺が、背負うものが無く、いくら仕事が好きでも燃えるものが感じられなかったのだ。

美久がいたときは、バイトでも、こいつと暮らすためには金が要る!
と思う心で続いた。
結果、美久がいなくなってからはやっぱり辞めてしまった。

誰かに必要とされたい。
これが俺の心にはいつもあった。
誰かの支えになりたい。
俺の心を支配するものだった。

シンアイは彼女がいなくても続いた。
会社が俺を必要としてくれていた。
皆が俺を必要としてくれていた。
俺も支えになりたかった。