しかし歯車は狂いだす。
正確に時を刻んでいた時計でも、やがては少しの狂いを生じるように。
少しの狂いがやがて大きな狂いとなるように。
俺はシンアイを辞めた。
俺が引いた方が、俺の好きなシンアイは生きていけるようになった気がした。
狂いは少しならすぐに直るものだ。
辞めようと心に決め、仕事を探す。
営業職がしたかった。
俺はトークが好きだから。
ちょうどフロムAが社員特集を組んでいた。
買って見る。
よさそうな営業の仕事を二、三見つける。
その中に一つ気になる仕事があった。
「滝沢通信」
NTTの下請けの仕事らしい。
給料はさほど多くはない。
営業でもない。
しんどそうだ。
でもなぜか気になる。
一応電話してみる。
社長はいい人だった。
その日に電話があって、すぐ決定だった。
次の日からでも来て欲しかったらしい。
しかし、3月からにしてもらう。
しかし…
3月1日は、けーこの卒業式だった。
ばーちゃんの用事もあった。
社長にお願いをする。
ばーちゃんのことだけ言って。
休みになった。
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