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石田圭衣子、卒業。
本当は恥ずかしくて行きたくはなかった。
でもけーこは見て欲しいらしい。
しかたないな、行くか。
俺の家からけーこの学校までは2時間掛かる。
卒業式の始まりの時間に間に合わなかった。
少し遅刻。
まあいいか。
来た事には変わりない。
見る。
…眠い。
お、けーこ居た。
むう、これでけーこの制服姿見るの最後か…。
惜しいな。
こうなんって言うか「女子校生」って言うのがブランドみたいなモンで…。
…馬鹿だな、俺。
卒業生退場。
2人づつ出てくる。
最後のほうに出るけーこ。
あ、気付いた。
わかるもんなんだねえ。
各教室に戻り、卒業証書が個人個人に手渡される。
次当たりけーこかな。
あ、やっぱそうだ。
「石田圭衣子!」
先生が呼ぶ。
「はい!」
少し嬉しそうに取りに行くけーこ。
……よかった。
けーこが圭衣子を少し好きになってくれたみたいだ。
嫌っていた圭衣子と言う名前。
好きになってくれたみたいだ。
こら、こっちを見るな。
俺、涙出そうなんだから。
俺、泣き虫なんだから。
別に何にもしちゃいないけど、
それでも嬉しいんだから。
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