かりかりかりかり
をいをい、文字をすらすら書いてるヤツがいるよ。
そのほうを見る。
美幸だ。
コイツは頭がいいくせに(学年トップ)この補習に志願したという奇妙奇天烈な行動をしやがったんだった。
聞くと
「予備校行くより安いじゃん」
だそうだ。
・・・また勉強の質が全くと言って良いほど違うと思うんだが。
予備校行ってるヤツより成績がいいんだからいいんだろうけどな。
俺だったら間違いなく家で寝てるぞ。
こんこん
後ろからつついてくるやつがいる。
同じのクラスの、そして同じ同好会の雄一郎だ。
「おい、天斗、お前わかるか?」
「わかるわけないだろーが」
「あ〜あ、はよ終らんかな〜、なあ、終ったら競馬行こうぜ」
「そーだな」
雄一郎は「競馬同好会」を創立した友だ。
ちなみに雄一郎の自転車は「イナズマタカオー号」だ。
きーんこーんかーんこーーん。
やっと補習が終わり、雄一郎と約束を交わし、いったん家に帰る。
帰りは下り坂だから楽なもんだ。
リザーブユアハートはこがずとも勝手に進んでいく。
やがて坂は終わり、自然に減速していく。
止まるあたりがちょうど交差点で、今日は運が無く信号に引っかかってしまった。
暑いのに運が無いな。
この交差点は引っかかると長いのだ。
フラフラとあたりを見回す。
前には喫茶店。
涼しそうだな、休んでいくか・・・
いや、この金を勝負金に回してだな。
横には中央病院。
俺にはまったく縁の無いところだ。
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