「で、家何処だって?」

「ふひ?ふぁふぁひほ・・・」

「口に入ってるモン飲み込んでから言ってくれ」

「うち? 明石の土山だよー」
確かに遠いといえば遠いが行けない距離ではないな・・・

ん?

何でそんな遠くないって知ってるんだ??

「お前、何で俺の住んでる所知ってんだよ」

「ほんとに忘れちゃってるんだねー」

「・・・」

と、言うことは

「昔会ってるのか?観登と」

「そうだよー、ちょっとショックだったよ〜」

「すまん」

「謝っても仕方ないよー」
・・・そうか、知ってるのか。

「知ってるのか?」

「うん、話には聞いてた、でもはじめて見たよー、記憶喪失の人って〜」
・・・全部知ってるのか。

「本当に思い出せないの?」

「ああ、昔のことはほとんど」

「そーかー、大変だねー」

それ以上は観登も何も言わなかった。

観登は俺のビールが無くなるまで何も言わず横に居た。

女嫌いな俺だが、昔を知っているならまあ良いかと思い、何も言わなかった。

くしゃ

空になった缶を潰し、立ち上がる。

「寝るか」

「そーだね、明日もまた大変だろうし」

はぁ〜とため息をつく観登。

「ははは、雄一郎に引っ張られてるもんなー」

「師匠は元気だから〜〜」
いつの間にか師匠になってるのか。

「まあ、頑張れ、じゃおやすみ」

「おやすみ〜〜」

いい感じに酒も回り、ようやく眠れそうだ。