正面玄関から入る。
市内では大きな病院に入るこの病院は、初めて行ったヤツは必ず迷うと言う迷路みたいになっている。

例に漏れず俺も迷った。

315号315号・・・
結局30分ほど彷徨って315号室にたどり着いた。

「315  海南 夕菜」

「やっと着いた」

良く見たら一番わかりやすそうな角部屋だった。
名前が一個しかないのは個室だからか?
何でもいいや、さっさと渡して帰りますか。

こんこんこん

返事返ってこないな

ガラガラガラ〜

「しつれいしまーす」

誰も居ないな。
参ったな・・・仕方ない。


びりびりびり

ノートを一枚破り、持って来た事を書こうとした。

・・・書くモンがねえ。

そういえば今日ノートとってないしな。
ってーか持ってきたのは土曜の競馬の日の赤ペンだけか。

まあいいか。

きゅっきゅーー、きゅっ。

「持ってきた  星野」

これだけ書けば上出来だろ。
プリントの上にメモした紙を乗せて部屋を出る。

いや〜気楽で良かった♪かえろかえろ。

エレベーターがちょうど開いてたので乗ろうとした。
小走りでエレベーターに向かう。

一人の女の子と会った。

向こうも目線があったので「あ」と声を出して頭を下げた。
俺もつられて頭を下げる。

エレベーターに乗り込み、下に下りながら考える。
何処かで会ったな。

思い出せん。

まあ、気にしないでもいいや。

そのまま病院を出ようとしたけど、やはり出口を探すのに時間が掛かった。
15分1階で彷徨い、やっと脱出。

無事家にたどり着いた頃には19時を回っていた。