やがて病院に着き、今日も若干迷って315号室に着く。

・・・何か人のいる気配がする。

よく考えたら当たり前のことだった。

そうなってくるとノックもなんだか緊張するな。
なんせ初めて会う人間の見舞いなんか初めてだからな。
・・・無意識に学校で会ってるかも知れないんだった。

意を決しドアをノックする。

「はい、どうぞ」
そういう声が聞こえてくる。

失礼しまーす
そう言ってドアを開ける。

「あ、プリント持ってきたモンだけど」

「あ、え?」

「あ、いや、なんてーか、山本に持っていけって言われて」

「星野さんですよね」

「そ、そう」

そこで顔を見る。

どこかで見たぞ。

「あ」
この間のエレベーター前で会ったヤツだ。

「この間は居なくてごめんなさいね」

「ああ、別にいい」
そのほうが気楽だったし。

「ふふっ」

「なんか顔についてるか?」

「じゃなくて、この間のメモ」

「?」

「持ってきた  星野、がなんだかおかしくて」
・・・そうか?

「じゃ、そういうことで」

そう言ってきびすを返し、ドアを開けた。

「あ、どうもありがとう」

「いいよ、べつに」

がらがらがら

「ふーー」
思わずため息をつく。

初めて会う奴だったし、少し饒舌になったな、ちょっと話しすぎた。
サービスしすぎたな。

やはり迷いながら病院を出、自転車置き場に向かう。

そういえば
なかなかかわいい子だったな。
そんな事を思い、リザーブユアハートに乗り込む。