・・・
「なあ、海南」
「うん?」
「お前、いいやつだな」
「そう?」
「俺、今まで男ばっかだったけど、ツレとか仲間って大事にするのな」
「うん」
「海南も、友達だから」
「うん」
「何も出来ないけど、友達だって思ってるから」
「うん」
「ぜってー、裏切らないから」
「ありがとう」
ドアを開ける。
「あ」
「どうしたの?」
「このノートの礼、明後日来るけど、ケーキ10個で良いか?」
「だから多いんだって」
「じゃあ、8個」
「変わってないよ、2個くらいがいいな」
「わかった、じゃあ、明日」
そう言って帰った。
しかしこのまま帰って寝る気にもならず、私服に着替え、十三に向かった。
『club Wing』
そう書いてある看板の下のエレベーターで3階まで上がる。
元々は雄一郎の先輩の店なんだが、支配人が競馬好きで気が合い、一人でもちょくちょく来る事になった。
学生には少しお高いが、相談事はここでする事にしている。
支配人のトークは『競馬からおじゃる丸まで』がモットーで、いろんな話に対応するのだ。
もっとも人の対象は『ゆりかごから墓場まで』がモットーらしく、誰にでも話を合わして来る。
この間は、おばあちゃんが支配人を指名していた。
近所の○○さんが・・・とか聞いてたな。
もともとホストクラブ的に作ったのだが、金をボるのも気に食わないので、結局女の子優先ラウンジを作ったということから恋愛相談とかもはお手のモノなのだ。
今回は恋愛相談ではないが、なんだか妙な感覚なのでそいつを話に来た。
まあ、競馬の話もしたかったってのはある。
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