315号の扉を開ける。

「よう」

「あ、いらっしゃい、今日のテストはどうだった?」

「ああ、なかなかよかったと思う」

「それはよかった」

「これ、約束してたお礼の」
買ってきたケーキを手渡す。

「あ、別によかったのに」

「約束は約束だから」

「じゃあ」
と言って海南は受け取り、箱を開けた。

「あ、ホントだ、二つだ」

「じゃあ、食っててくれ、じゃ」
と言ってドアに向かった。

「あ、ダメだよ」
海南が言う。

「何が?」

「このケーキ二個あるんだから」

「いや、二個食ってくれたら」

「多いよ」

「多いのか?」

「うん」

「俺なんか雄一郎とケーキバイキング行ったら10個以上食ったぞ」

「それはおかしいよ」

「だから二個くらいぺろりと食えるだろ」

「だから、その・・・ふとっちゃうよ」

「は?」

「太っちゃう」

「・・・なるほど」
そうか、女だもんな。


その後、二人でケーキを食い、多少話をして帰った。

「悪かったな」

「何が?」

「いや、海南の分のケーキ食っちまって」

「もともと星野君のじゃない」

「いや、なんてーか」

「案外気を使うんだね」

「そ、そんな事無い」

「ふふふ」

「じゃあ、明日な」

「うん」

がらがらがら



・・・・・・・・・・・・・・・・・

「案外気を使うんだね」

・・・そんな事無いだろ。