「これや〜、このトルマリンのブレスレット、石三つとものインディコライト(頭脳がさえるといわれている石)にしてーー」

とうとうこの馬鹿は通販に頼りだした。

3本買うーーー

約三万をドブに捨てる気だ。

「まてよ、1個は恋愛に効く石にするかな?

どうやら別の欲が鎌首を擡げ出したらしい。

「うへへー、コレでやっとワシにも幸運がーー」

哀れだ。

この上なく哀れだ。

しかし自分も同じような事をこの間まで考えていたかと思うと悲しくなってくる。


『反面教師』

『人の振り見て我が振りなおせ』


そう言った格言が次々頭から沸いて出てくる。

「そんな非科学的なモンより、ほれ、雄一郎、気を取り直して競馬だ」

「はっ!そうや、俺には馬があったんや!午、馬、UMA―――!」

どうやら吹っ切れたらしい。


結局今日の同好会は、雄一郎を正気に取り戻すのに時間がかかり、普通の予想が出来ずのままに終わってしまった。

明日の予想は各自でやることになり、馬券を買って部屋に集合と相成った。


その日も海南の部屋に向かう。

「よう」

「いらっしゃ〜い、どうだった?」

「良かった、80は超えるな」

「おー、すごいすごい」

「これも海南のお陰だ」

「そんな事ないよ、星野君が頑張ったからだよ」

「いやいや、海南のノートが良かったからだ」

そんな会話が続いた。