視聴覚室に入る俺と海南。

「客連れてきたぞ」

「うわ!!!!」

「みみみみ、海南さん」
珍しく丁寧語の雄一郎。

「よろしくお願いします」

「こお〜〜こここここ」

こちらこそと言いたいんだろうが緊張してるのかニワトリみたいになっている。
篤と潤也に関しては固まったまま動かない。
何だってんだ、こいつ等。

もうすぐ篤の公演の時間なのだが、篤は海南の前ということで緊張しすぎている。

「なあ天斗、海南ちゃんとどっか行ってこい」

「なんでだ」

「篤が・・・凍り付いている」

「・・・仕方ないな」

視聴覚室の端っこでちょこんと座っている海南のところに行く。

「色々歩くか」

「え、う、うん」

海南を連れ出したはいいが、何処に行ったらいいかわからない。

「何処行きたい?」

「わかんない」

「・・・じゃあウチのクラスにでも行くか」

ウチのクラスは喫茶店を出している。

確か美幸がいるはずだ。

居た。
呼び込みやってるよ。

雄一郎曰く、可愛いらしいからな。(俺には到底そうは思えんが)

「よう」

「どうした、同好会クビになったか」

「なるかバカ、客として来てやったんだ感謝しろ」

「全財産置いていけ」

「バーカ、さっさと仕事しろ」

「あれ、海南さんじゃん」

「あ、こんにちは」

「ゆっくりしていってね〜」

・・・なんで俺のときとこんなに違うんだこのアマ。