海南に手渡された紙に電話番号を書く。
「あまりに寂しくなったら電話して来い」
「…?どこの番号?」
「こっちが食堂の番号、10時以降はこっちのおじさんちの電話番号」
「どっちにも電話しにくいね」
「なんせ俺携帯持ってないからな」
「私も無い」
「病院は使用禁止だろうがよ」
「そうなんだよ」
「気にせずかけてきたらいい」
「ありがとう」
「別に毎日でもかまわないから、ただ海南って言わないで欲しいかな」
「何で?」
「多分ばれたら雄一郎に殺される」
「じゃあ飛鳥って言うよ」
「じゃあ俺チャゲか?なんかアレだなあ」
「星野君」
「ん?」
「本当にありがとうね」
「気にすんな」
病室を出、家に帰る。
そういえば迷わず病室にまで行けるようになったよな。
ドアを開けるのにも緊張しなくなったし。
いいことなのかな。
でも海南以外の女はいまだに苦手だな。
……いや、
海南も含めてやっぱり女は
苦手だ。