・・・
しばらくの沈黙
「ねえ」
海南が切り出す。
「どうした」
「実は星野君にクリスマスプレゼントを用意してたんだよ」
「そうなのか?」
「こっちにいるのかなと思ってたから」
「悪い」
「謝ることじゃないよ、私が勝手にそう思い込んでただけだから」
「普通そう思うわな」
「渡せなかったからどうしようかなって」
「そうだなあ、帰るの来年だし・・・」
「郵送していい?」
「ここにか?」
「うん、だめかな?」
「いや、悪いよそれは」
「いつもお知らせ持ってきてくれてるから」
「それは俺のよこしまな意思がだな・・・」
「ううん、お礼の気持ちだよ」
気持ちを無碍に断るのもなんなので、ここの住所を教える。
「ごめんな」
「大したものじゃないから」
「・・・海南」
「なに?」
「あの、俺こんなの初めてだからなんて言ったらいいのかわからんのだけど」
「うん」
「メリークリスマス」
「メリークリスマス」
受話器を下ろす。
「親切な先生なんだねー」
おばさんにからかわれる。
「あの、雄一郎には」
「わかってるよ」
二日後、おじさんの家に小包が届く。
「飛鳥 涼子」
まんまチャゲアスだ。
おばさんが気を利かせて隠しておいてくれた。
「これがアタシのクリスマスプレゼントね」
雄一郎は後でおばさんに商品券を貰っていた。
・・・俺もそっちのほうが良かったかも。
「社長婦人!ありがとうございます!!」
本当に雄一郎は口がたつ。
その間に俺は海南からの小包を開ける。
皮の洒落た上品な手袋だ。
こげ茶色でちょっと大人っぽい感じだ。
俺に似合うのかな?
次の日から通勤時に俺の手にはその手袋が装着されていた。