家に帰る前に病院に寄る。

「おっす」

「いよいよ明日だね」

「まあな、俺たちだけ悪いな」

「ぜんぜん悪くないじゃない」

「でも、何だかな」

申し訳ない気でいっぱいだ。

「楽しみだね、修学旅行」

「それがそうでも無くなった」

「どうして?」

「5日目が女と二人で行動らしいんだ、やっぱり苦手だからな」

「ああ、そう言えばそうだったね」

「まだ知ってる奴に当たる事を祈るよ」

海南の顔を見ながらそう言った。

少し海南が複雑な顔をしていた気がした。

「土産買ってくるよ、何がいい?」

「え、何でもいいよ」

「なんかあったのか、少し変だぞ」

「何にも無いよ、どうしたの?」

やっぱり何か取り繕っている気がする。

「なんか考え事してるみたいだったから」

「んー、無いといったら無いこともないけど」

「大丈夫か?」

少しの沈黙。

「うん、大丈夫!」

いつもの海南に戻った気がした。

「5日目、だよね」

「?」

「楽しんでてね」

「あ、ああ」

まあいつもの海南に戻ったからいいか。

家に戻って明日の準備をする。

制服の他に私服一日分か。

馬券売り場に学生服では入れんからな。

そうだ、海南に貰った手袋持って行こう。

あいつ行けないからせめてこれを連れて行ってやろう。


しかし5日目が憂鬱だ。



いくら憂鬱とは言っても、やはり楽しみなのは楽しみだ。

なかなか寝付けなかった。

いかんいかん、明日の遅刻はマジで洒落にならん。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・