「ぜぇぜぇ」
「だまされるお前が悪いんだよ」
「お前、なんで運動もしてないのにそんな動けるんだ」
美幸から数発被弾したくらいで済んでいる。
息も元に戻ったあたりが集合の時間になった。
「天斗」
「なんだ?」
「少しは悪いと思うんなら写真でも撮れ」
「お前と二人でか?」
「そうだ」
いつ以来だ? こいつと写真撮るのは。
「まあ、付き合ってやるか」
その辺の女子に(どうやら同じクラスらしいが)頼み、二枚撮ってもらう。
「久しぶりだな、写真撮るの」
美幸に言った。
「そうだな、二人でなんて中学の入学式以来じゃないかな」
「そんなになるか」
「お前が嫌がるんじゃないか」
「そりゃまあ、あの頃ってそんなもんじゃないか」
「確かにな」
「第一お前が俺みたいなのと一緒にいちゃ駄目だ、同じように馬鹿だと思われてますます男が寄って来なくなるぞ」
「ますますは余計だ! でも男は・・・いらない」
「そうか、変な奴だな」
「お前ほどじゃない」
二人でバスに乗り込む。
「お前みたいに異性が嫌いなんじゃない」
「そうなのか?」
「かなわない恋を・・・しているだけだ」
後ろの方の自分の席に戻っていく美幸。
「美幸!」
振り向かず戻っていく美幸。
「頑張れ、応援してやるよ」
席に座り、手だけ上げる美幸。
やがてバスは走り出し、ホテルに向かう。