腕の中の海南と目が合う。
「海南、背低かったんだな」
「星野君が高いだけだよ」
「そうなのか?」
「そうだよ」
「海南」
「え?」
「その、なんだ」
「?」
「また、辛くなったらこうしてやるから・・・頑張れな」
「うん」
「俺はこうするのを頑張るから・・・」
「ふふふ」
「ガムテープ買って帰らなきゃな」
約束通り手をつないでコンビニ経由でホテルに帰る。
廊下で手を離すのを忘れていて、篤に見つかる。
「あ、篤っ!」
篤はそのまま闇へと消えていった。
海南を部屋まで送り、同室の鈴木先生に買ったガムテープと切符を手渡す。
「楽しかった?」
つないでいた手を見られる。
「あ、いやこれはその」
「離すの忘れてたね」
「まあその話はゆっくり部屋でね、海南さん」
「あの、別に何も・・・」
「こういうのも修学旅行の楽しみの一つ、ふっふっふー」
きっと海南は鈴木先生に今日の事とか根掘り葉掘り聞かれるんだろうな。
俺も部屋に戻る。
「ただいまー」
潤也と雄一郎が正座している。
「お前ら何やってんだよ」
奥には鬼の形相をした篤が立っていた。
「天斗、貴様もここに座れ」
その後俺たちは篤に4時まで八つ当たりされた。
そりゃそうだ。
篤は擬似恋愛行動のためにこの学校に入学したって言ってたもんな。
その篤の相手が岩鉄は無しだわな。
皆で篤が買って来た酒を飲んだ。
篤の買ってきた酒は妙に苦かった