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男も女も浮き足立っているバレンタインデーだ。

「天斗、お前どないや?」

雄一郎は昼休みまでに7つ貰ったらしい。
飯を食いながらその話ばかりする。

「俺は9個だ」

「何! 畜生負けとるやないかい」

「勝っただ負けただってそんな」

「何や、勝者の余裕か?チキショー!!よくこんな無愛想な男に渡す奴もおるもんやで」

「それは俺もそう思う」

なんでこんなのに渡してくるのかが不思議だ。

さっきなんか一年の女子が怯えながら渡しに来た。


放課後

同好会室に集まる俺達。

「おい、何個やった?」

「俺は8個」

「俺、7個」

篤は潤也の8個を一個下回り7個と最下位。

「でも何か一個気合の入ったのがあるじゃないか」

俺がその気合の入った特大のチョコを手にする。

「岩鉄 美紀」

チョコの裏にはそう書いてあった。

何も言わずにもとあった場所にそっと戻す。

皆も察した様で何も言わなかった。

「おい、黙るな! 余計に悲しくなる!!!」

篤はそう咆哮した。

俺と雄一郎13個づつで今のところ同数だ。

「11時59分まではバレンタインデーやからな、まだおわらへんぞ!」

雄一郎の宣言とも取れる発言で同好会はお開きとなった。