「あ、そうだ」
「え?」
「お礼するって言ったろ、何がいいか決めたか?」
「別にいいよ〜」
「良いから言えって」
「何でも良いの?」
「ああ」
「じゃあ・・・星野君はGWどこか旅行とかに行くの?」
「いいや、何処にも行かないな」
「私ね、GWもおうちに戻れないから暇なんだ、
「ほうほう」
「もし良かったら、GWもお見舞いに来て欲しいな」
海南は申し訳なさそうに俺に言っている。
「頼まれなくても、来るつもりだったさ」
「ありがとう」
海南の顔がぱあっと明るくなる。
「それじゃお礼にならないからな、他の事も考えといてくれ」
「ううん、いいよ、他には何もいらない」
ドアの前に立つ。
「駄目だ、約束は守らなきゃいけない」
「えっ?」
「一回言った言葉を引っ込めたら男じゃない、海南にその程度の礼しかする気がなければ考えておいてくれなんて言わない」
「御礼をしてもらう事じゃないと思うんだけど」
「俺はうそが嫌いだからな、一回言った事は絶対守る、だから考えておいてくれ」
「わかった、そうさせてもらうね」
「じゃあ、また明日」
ドアを閉め、階段を降り、皆の元に向かう。
「さーて宴会の続きじゃーー!!」
「ナガサキ行きましょーよ!」
「よっしゃ、俺がお好み焼いてやる」
「篤はあそこで就職したらいいのに」
「するかー!」
皆のテンションは最高潮だ。
そりゃそうだ。
俺達だけの居場所を守りきる事が出来たんだからな。
「だんだん暖かくなってきますね」
「そうだな、もう5月だからな」
俺たちを包んだ四月最後の夜風は、とても暖かく、
なんだか妙に優しかった。