第九章
走り出した想い
ゴールデンウイークも終わり、俺たちは日々の生活に再び追われている。
気がつけばもう6月ももうおわりだ。
大学をもう一個受ける事になった俺は、補習なんかを受けさせられている。
俺の他は潤也も受けている。
国公立受験者用の補習である。
ウチの学校は予備校を推進しないので、学校内でコースを決めて受講する事が出来るのだ。
俺以外は。
俺は山本の強制で行かされている様なモンだからな。
まあ一、二時間程度の徹底講習だからさほど苦にはならないのだが、部活が多少おろそかになっている。
「お待たせ」
「おう、優等生ども」
「やめてくれよ」
いつものようにうだうだして帰る。
息抜きにはちょうどいい空間だ。
「じゃ、お疲れ〜」
いつものメンバーと別れて、もう一つのいつもの空間へ。
「よう」
「いらっしゃい」
「いつも遅くて悪いな」
「ううん、受験生なんだから普通だよ」
「まったく、かったるいもんだよな」
「で、何処の大学受けるか決まったの?」
「全く考えてない」
「学部は?」
「それも全然」
「あらら」
「第一俺が何が出来るかもわからねぇわ」
「好きな事は?」
「・・・競馬かな?」
「獣医師とかは?」
「んー、あまりピンと来ないな」
「何か資格とか取った?」
「いいや、去年普通二輪の免許を学校に黙って取ったくらいかな」
「そうなの?」
「内緒だぞ」
病院を出る。
そう簡単に見つからないよなぁ。
自分の将来が見えず若干不安になる。
ウチの大学に行って、どこかの会社に入社して・・・。
そんなモンだろうな。
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