しばらくしてそばのベンチで座った。
「海南は何で今の学校に入ったんだ?」
「お医者さんになりたかったんだよ」
「へー」
「うちの学校に入って、医学部にあがったらお医者さんになれるでしょ」
「ああ、学年で5位以内なら医学部に行けるからな」
「この病気もそうだし、お父さんやお母さんもそうなんだけど、助けたかったんだよ」
「なるほど」
「とくに子供をね」
「子供?」
「そう、この病気ももう少し早く気づいていればもっとましだったかもって思って」
「なるほど」
「私、子供のとき病院大嫌いだったから、子供が行きたくなるような病院を作りたかったんだ」
「難しいな、それ」
「でも、もし治っても無理だね、体力無いもの」
「そうか」
「だから星野君がうらやましかったよ」
「元気だからか?」
「ううん、らんちゃんの事」
「らん?? なんで?」
「私、あんなに子供に好かれた事無いもん、きっと良いお医者さんになりそうだなって」
「子供なぁ、たまにうっとおしいくらいくっついて来るよな」
「そんなこと普通は無いと思うよ」
「そうなのかなぁ」
「だからうらやましかった」
「そうか」
「うん」
「じゃあ俺がその夢の引き継いでやる」
「え?」
「どうせ進路もまったく希望無かったからな、その話聞いてたら俺もやりたくなった」
「でも無理しないでも」
「ほら、俺も昔小児科には世話になってたクチだからな、確かにそういう病院があっても良いよな」
「じゃあ、そのお手伝いがしたいな」
「ああ、それでいい、希望もあったほうが治そうって気になるかもだろ?」
「うん!」