「それとさ、せっかく学校行けるんだからさ、楽しく行こうぜ」
「そうだね」
「何がしたい?」
「まずね、クラブに行きたいな」
「ははは、皆大喜びだな」
「学園祭も近いもんね」
「ああ、今年こそ一位だ」
「学食にも行きたいな」
「俺はもう飽きたぞ」
「学校の帰りに寄り道とかもしたいな」
「学校の坂の下が病院なのに、寄るも何もないんじゃないか?」
「あ、そうだったね」
「まあいいや、無理しないようにして楽しく行こうぜ」
「うん」
しばらく話をして家に帰る。
翌日、山本にやっと進路を決定したことを伝える。
「それなぁ、出来たら奇跡だぞ」
高3で医学部行くって決めて受験を始めるのは遅すぎって言われた。
まぁ国公立は100%無理でも、ウチの大学の医学部なら何とかなりそうだ。
無理かもしれないがやってみよう。
海南にもっと大きな壁に挑ませちまったんだ。
俺たちは、やっと動き始めた未来に向けて遅いスタートをやっと切った。
一人ならきっとつらさしか残らないだろう戦いに、二人で挑んでいこう。
どんな結末が俺たちを襲うとも、今は笑って生きていこう。
つらさが思い出になることを祈って。
記憶じゃなくて思い出になることを祈って。
二人で歩いていこう。