最初は皆ネタを言い合っていたが、映研への恨みが激しく、やがて真面目な取り組みになってきた。
「俺さぁ」
篤がつぶやくように話し出した。
「なんかこう言うのやってみたかったんだわ、これから皆バラバラになるだろ?折角なんだから映像とかに残せたら楽しいよな」
「ああ、そうだな」
確かにそうだ。
皆、今は受験とかで頭いっぱいだけど、それが終われば大体ばらばらになるんだもんな。
そう考えたら今のこの企画はいいのかもしれない。
「でも男ばっかりだからな、何撮る?」
潤が現実に引き戻す。
「ドキっ!男だらけの競馬場♪はどーっすか?」
「ハジメ、それ見たいか?」
「絶対見ないっすね」
「じゃあ企画すんな!」
「女なら海南がもうすぐ学校来るぞ」
俺がそういったとたん
「うおー! 俺主役じゃー!!」
雄一郎が雄たけびをあげた。
「俺様が部長じゃ、俺が主役で問題ないんじゃー」
雄一郎がイカれた。
「なあ、その件俺に任せてくれないか」
珍しく真面目な目をして篤が皆に頼みだした。
「どう言う事だ?」
「俺、結構映画とかドラマとか好きでさ、最近そういうのやってみたいなと思ってたんだ、こんな企画めったに出来ないしさ、俺、出演よりも監督やってみたい」
「へー、俺はいいと思うぞ」
「篤がそこまでいうなら問題ないよな」
俺も潤も全く問題ない。
「俺、後輩だからお任せするっす」
ハジメもOKだそうだ。
問題は雄一郎か
「そうか、じゃあ篤に一任しよう、役割、配役、ストーリー、全部任せたぞ」
「あら?部長ゴネると思ったっす」
確かにハジメの言うとおり、俺様中心主義が出ると思った。
「アホか、たまには俺にもカッコつけさせろや、映研に勝つには誰かがまとめなアカンやろが、篤の文才と意外性に賭けるぞ」
「悪いな」
そんな訳で篤がすべてを仕切るようになった。
「たださ、それでも人数少なくねーか」
「そうだな、5人だしな」
「教師とか家の人が使えないか頼んでみよか?」
「そうだな、雄一郎にそれは任せよう」
「映像をいじるのなら任せろ、俺が家でパソコンで何でもしてやる」
・・・俺が出来ることがない。
「篤、俺何も出来ないが、なんかあるか?」
「馬鹿野郎」
「え?」
「ウチの最強の女優を一番いいように映すようにエスコートするのがお前の仕事だろうがよ」
篤は本気だ。
「学校最強の大女優を扱えるんだぜ、それだけでも映研が羨ましがるだろうよ」
篤の頭の中では、もうすでに構想は出来ているようだ。
「明日までに台本くらいはまとめてくるよ」
そういって篤は帰っていった。
「アイツ本気やなー」
「そうだな」
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