いつものように病院へ。


「今年の学園祭さ、映画を撮る事になったよ」

「どんな映画?」

「さぁ、篤がものすごく監督をやりたがってさ、全部任せたんだ。 だからどんなのになるかわかんないんだ」

「吉田君が監督か〜、楽しみだね」

「ああ、それで海南は唯一の女だから皆がよろしく頼むってさ」

「うん、嬉しいよ、ぜんぜん部活に出てないのに皆そう言ってくれて」

「馬鹿な事言ってんじゃねぇ、いつ来てもいいように海南の席だって作ってあるんだから」

「早く学校に行きたいよ、でも・・・」

「でも?」

「私、あんまり身体に自信ないから水着とか脱ぐとかは・・・」

「そんなモン学校で流せるか!」

「そうなの、ないの? よかった〜」

「ない!・・・とおもうけど」

頼むぜ、篤。




って言うかどんな映画だと思ってんだ、海南。



翌朝

珍しく家を早く出たら懐かしい顔が出てきた。

「よう、天ちゃん」

久々にその名で呼ばれた。

「龍ちゃん」

幼馴染の龍ちゃんだ。

実は俺、記憶喪失になったけど、龍ちゃんのことだけは覚えていたのだ。

それだけ仲がいい。

高校は別々の高校になったから最近は全く会わなかった。



・・・まあ俺が家を出るのが遅すぎるだけなんだが。

「久々だな天ちゃんとも」

「いつ以来だっけ?」

「天ちゃんとこの皆とコンパして以来だよ」

「そんなになるか?」

「そうだな、正月はライブあったし」

「そうだったな、プロの吹奏楽団だもんな、大変だな」

龍ちゃんは同い年だが、プロのサックス奏者だ。
有名なバンドのバックバンドとして呼ばれたりする。
それにくわえて顔も良い。

雄一郎なんか、初めてあった時「死んだらいいのに」とつぶやいたほどだ。

しかし龍ちゃんのコンパに参加してからは、まったく態度が変わっていたが。



「それよかさ、この間の女の子たちがさ、また皆とコンパしたいんだって」

「あの飲み会でか?」

「俺の中のツボは潤也ちゃんなんだがな」

「飲み会で黙々と飲んでただけじゃねーか」

「ぶつぶつつぶやくのが面白かったよ」

「篤はキレてるし」

「キレキャラだって笑ってたよ、皆」

「ま、誘っとくわ」

「月末やろうよ、じゃーね、天ちゃん」

龍ちゃんと別れ、学校に行く。


今日の早起きの理由は、朝の部活だ。

昨日の映画の撮影の件を煮詰める。


「龍ちゃんが、またコンパしようってさ」

「お〜、龍コンは女がレベル高いからな〜」

篤が喜んでいる。

お前、この間キレっぱなしだったじゃないか。

「神港大付属は女多いからなー」

「いつや、いつやるねん!!」

「俺も連れてって下さいよ!!!」

「月末だってさ」

朝から元気だな、皆。