翌日

朝ミーティングをする

「ひとつ足りないものがある」

篤が真剣な顔で語りだした。

「なんすか?それは」

「音楽だ」

「音楽?」

「厳密に言うと歌だ、エンディング付近から流すバラードっぽいのが欲しい」

「歌か〜」

「どんな歌がえーねん、篤」

「俺の希望を出すと長くなる、まず皆がどんな歌が良いか出してくれ」

皆で台本を読みながら考える。

「難しいっすね、ラップならわかるんすけど」

「むー、俺、音楽聞かんからなぁ」

潤也はハナっからお手上げだ。

「天斗は?」

「俺、感動系なら小田和正でどうかなって」

「おお、俺も好きやでJRAのCMの最後の10完歩」

「競馬的にはありっすかね」

「海南、なんかないか?音楽詳しいし」

「んー、この話にあう良い歌はないなぁ」

「小田でいいじゃないか、篤」

知ってる音楽はこれだけなので、それをプッシュする潤也。

「ってーか、監督的にはどんな音楽がいいと思うんだ?」

何か考えてることがあるんだろう。
俺は篤に聞いてみた。

「そーやで、お前が作った作品や、お前のイメージが一番ちゃうか?」

「俺のイメージはな、女が歌う歌がいいんだ」

「へ?」

「この作品、結局主役は天斗やろ、そやのに女が歌うんか?」

「女の子が、男の気持ちを歌う歌が欲しい」

「お前、それないんちゃうか?」

「海南、なんかあるか?」

「難しいね」

「女が『僕は』って歌うバラードっぽいのが・・・欲しい」

「無いなぁ」

台本を何度も見る皆。

「男のほうが、いいんじゃないか」

「チャゲアスかなぁ」

「難しいのー」