「でも見たいヤツはこれだけじゃないかと思うんだよ」
篤が弱気だ。
「何でや?」
「見たいのを先に見ておこうって一回目の放映で全員見ちまったんじゃないかな」
「恐ろしいほどの弱気やな」
「大丈夫と思いますよ、俺のツレとか来てないですもん」
「後はさっき見たヤツが宣伝してくれればなぁ」
12時になる。
次の放映は3時からなので、2人だけ残って交代で他を見に行く。
「教師も馬見に来るからな」
雄一郎は他の偵察に行くといって走って行ってしまった。
「二人で行って来いよ」
潤也が俺と海南に言う。
「どうせ俺はこいつ見てなきゃならないしな」
指を指したほうには感涙に咽んでいる篤がいた。
「そうか、じゃあ行ってくる」
視聴覚室を出る。
「どこ行く?」
「やっぱり自分のクラスじゃない?」
「そうだったな」
自分のクラスに行こうとした時に美幸に遭遇。
「どこ行くんだよ」
「自分のクラスだ」
「そんなとこよりウチ寄ってけ、な?」
「強引なキャッチだな」
「星野君、行ってもいいんじゃないかな?」
「そうか?」
「そうだそうだ、寄れ寄れ」
美幸につられて美幸のクラスに入る。
「去年川端さんに引っ張られてたよね」
「ああ、同じクラスだったからな」
「何にする?」
「昼飯」
「色々あるんだよ!」
「んー、お前に任せる」
「あ、じゃあ私も」
「じゃあコストが安い割りに高く取れるオムライスでいいな」
客にそこまでぶっちゃけていいのか?
「オムライスってコスト安くないよね」
「そうなのか?」
美幸なりに一番いいのを見繕ってくれたんだろう。
「すごいねー!」
美幸はオムライスにケチャップで絵を描いている。
「どうだっ!」
「何で俺の絵だけドクロなんだよ」
「よろこべ」
「このドクロ、かなりリアルじゃねーか」
海南の絵は可愛い犬なのに、俺の絵はドクロだった。
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