しかしそんな事は所詮蟷螂の斧だった。

今日は二回の公演の予定が、ウワサを聞いた連中や保護者が大量に集まって視聴覚室に入れないと言う事態に。

公演を二回増やして4回に増やすもアンコールが多発。

時間を越えるので、最後にチケットを入れてもらわないカウント無しのでサービスでもう一度上演した。
その公演が終わったあと、篤は誰かの保護者と話をしていた。

しかしその時間帯は吹奏楽部の最終公演。

文化祭の長い歴史の中で始めてガラガラの演奏だったそうだ。


最終順位は当然のように1位。

競馬の映画でこんなに人が呼べるとは思わなかった。

校長に賞状と賞金を貰いにいく。


かんぱーーーい!


「圧勝だったな!」

「去年のリベンジが出来たよな」

「ホンマやで、篤のおかげやで」

「吉田君、お疲れ様」

「こんな結果残されたら来年俺はどうしたらいいんすか!」

「今のうちに部員集めしとけよ、ハジメ」

「いいイメージのうちにっすか?」

「そうそう、やや汚いけどな」

「そういう手って篤先輩の手っぽくてなんだか」

「なんだと!ハジメ!!」

部室に戻っての優勝記念パーティは続く。

顧問の山本は始めの乾杯で一言だけ話して職員室に戻った。
山本なりにに気を使ってくれたんだろう。

・・・

このパーティが終われば最後の文化祭が終わってしまう。

誰も口には出さなかったが、少なくとも3年男子4人はそう思ったはずだ。

やがて4人だけだった同好会を作った頃の話になり、去年の修学旅行の話に・・・

「俺、今年クラブ行動ひとりっきりっすよ! さらに実家が北海道だってのに何楽しむんすか!!」

部員集めの話にも・・・

「海南ちゃんはやっぱり天使やで」

いろんな話に懐かしさを感じた。

「最後にでっかい仕事が出来たよな」

つい漏らしてしまった。

「ほんとだよな」

「篤、サンキューな」

「俺がお礼を言いたいよ、大切な最後を俺に任せてもらったんだから」

「まあ何にせよ来年はハジメに任せなきゃならんわけだから、頼むでハジメ」

「はい!」

山本に早く帰るように促されてしぶしぶ部室を後にする。


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