エピローグ

約束のあの場所へ





3月になるとやや暖かくなる。

さすがに初旬なので桜は咲かないが今日は卒業式だ。

卒業といったってウチの大学に行くだけだからな。
終業式の一環みたいに思えてしまう。

「行ってきます」

誰もいない家に高校生活最後の挨拶をする。

自転車をこぐ。

いつもの道

いつもの交差点

そしていつもの病院

海南と昔目が合った3階を見てみる。

海南がいることは当然無い。

すごい勢いで自転車をこぐ。

坂を上りきって学校に着く。


「重役、卒業できたんだなぁ」

長谷川がニコニコしながら声をかけてくる。

「そうみたいだな」

「頑張れよ」

「先輩おめでとうございます!」

ハジメが近づいてきた。

「おお、サンキュな」

「終わったら最後に皆で写真取りましょうよ!」

「ああ、そうだな」

「じゃあ式が終わったら!」

「おう」

教室に行く。

「天斗!」

「最後の奇跡が起きたんだって?雄一郎」

「おお、補修に次ぐ補修、再テストに次ぐ再テストやったで」

「せっかく大学決まったのにダブってたら洒落にならんとこだったな」

「おお、ホンマやで」

雄一郎はぎりぎり卒業出来て俺と同じウチの大学へ。

ま、学部は違うけどな。

「高校受験頑張ってよかったわ、エレベーター式って楽やな〜」

エスカレーターと言いたいらしい。

雄一郎の最後のボケ(天然)も決まっていよいよ式が始まる。