第二章   やってしまった大遅刻



一般的に言う夏休みとやらが終わった。

今年はなんか休み無かった気がするからな。



・・・思い出すのはよそう。
虚しくなるだけだ。

寝正月は聞いたことがあるが、寝夏休みはいまだに聞いたことが無い。


・・・いかん、あの綺麗な夕日を思い出してしまった。

なんだか悲しくなってきた。


で、今日はと言うと9月3日。

登校中だ。

まだ夏のような気候の下を歩いて学校へ向かう。

しかしどうも様子がおかしい。

俺は通学中なのに、同じ制服を着ている連中は俺と反対方向に向かっている。

・・・なぜだ。

時計を見る。

12時20分

・・・そうか、今日までは午前の授業だったな。

まあ折角来たんだからと物のついでに学校へ行ってみる。

「よう」

長谷川が見えたので挨拶だけしてやる。

「忘れ物か?」

「勤勉にも学校に来たんだが、教師のストライキか?」

「・・・今年から馬鹿は相手にしない事にしてたんだが、まさか今登校か?」

「今って訳でもないが、さっきと言えばさっきだな」

「・・・あのな、それを今と言うんだ」

「俺、もしかして休み扱いになるのか?」

「まあ、間違いなくそうだろう」

「せっかく来たのに」

「あと30分早く来てればHRの時間くらいは付いたろうよ」

「残念だ」

仕方なく帰ろうかと自転車を反転させる。

どぐぁしゃーーん。



チカチカチカ

目の前が白黒シーケンサー付いたみたいにチカチカしてる。

バタン。

黒になった瞬間そう音がした。



俺は世間一般に言う「倒れこんだ」と言う状況になったようだ。



やわだなあ



上からそう聞こえた気がした。



閉じていたらしい目を開ける。


多分美幸だろうと思われる。

いや、こんな事になる原因になるような事をするのは美幸しかいねえ。

「カバンが後ろから飛んできたくらいで倒れるなよ」

カバンを投げ返してやろうと思って立ち上がって美幸のカバンを持った。


重い

重いなんてモンじゃない。

カバンの盛り上がり方を見て・・・ダンベル2つだな、1個5Kgくらいの。

「テメェ!何入れてやがる!!」

「気にすんなよ、それより山本が呼んでたぞ」

「どうせ俺、今日は休みだからな、帰る」

「単位くれるってさ」

「・・・何の?」

「HR」

「うるさい、そんなもんに乗らんわ!」

「行きなよ」

「男は取引しねぇもんだ!」

「ふーーん、来年は後輩か〜」